三河地域 、愛知県岡崎市欠町で音楽療法を通し、障がいを持つ方の成長・発達・豊かな心づくりのお手伝いをしております。

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2013-03-03 16:09

ピアノの工夫


セッションの中で、

キーボードやピアノを随分取り入れている。

もちろん決まりきったレッスンではなく

その子その子に応じた工夫がある。

たとえば・・・・、

お子さんにポンポンとキーを自由に叩いてもらう。

どんな音を出してもOKである。

その音にスタッフのドラムとピアノとで、

うまく即応してあげていると

だんだんお子さんの音の出し方(リズム・テンポetc.)が整って来て、

「合奏(共演)」みたいになってくる。

「弾けた!!」という感じになるのだろう。

ニコニコ顔で両足をバタバタさせ、

嬉しさを体全体で表しながら弾いている子もいる。

(ここでは、一種のやりとり/コミュニケーションを意図)

特製の目印(シール)を使うことで、

かんたんな曲が弾けたりもする。

片手の一本指奏から、両手の人差し指奏、

・・・そして左手での和音づけ。

まだ音符は出てきていないが、

曲の演奏は成立している。

音符が分かってから曲をとか、

各指が動かせるようになってから曲をというのではなく、

今現在持っている力(やれること)が、

「できた!」「弾けた!」につながるように工夫して行く。

この工夫は、お子さんの状態
(発達段階・障害の特性・興味関心の方向
etc.)に
そったものでなければならない。

一本指での音だし遊びを楽しんでいたお子さんが、

両手の人差し指で曲を弾けるようになり、

さらに、左手の親指と小指とで和音をつけられるようになり、

今では市販の教則本を使うことも出来ている。

これも、お子さんに寄り添った工夫を、

教則本に施すことで可能となったものである。

「曲が弾けた!」と言う時には、

とても嬉しそうな顔をし、

私の顔を見たり、同室している親御さんの顔を見たりする。

(共感のまなざし)

すると、親御さんも携帯のカメラを向けていたりする。

そんな時、親御さんがお子さんに向けるいとおしさが伝わってくる。

これは小さなお子さんの時だけではなく、

成人されたクライアントさんの場合でも見られる。

いくつになっても、自分のお子さんをいつくしんでおられるのだなと感じる。