■ 「二人羽織」という言葉がある。
寄席芸のひとつで、
二人で一つのことをするというものである。
高座で二人が前後に重なって座り、
後ろの者は、前の者の羽織を頭から被って隠れ、
手だけを前に出しておく。
前の者は、姿は出しているが手は隠しておく。
こうして、二人が一人であるかのように振る舞って、
三味線を弾いたり、
身体を掻いたり、
丼から蕎麦を手繰って見せたりする。
見えている姿は前の者だが、
何かをしているのは、後ろの者である。
客席から見ていると、
ちょっと歯がゆいような、
滑稽な感じになり、笑いを誘う。
■ こんな寄席言葉、
若い人は知らないだろうと思うが、
合コン等のある種のゲームに、
「二人羽織」という言葉を使っている。
ニュアンスは違うが共通の言葉である。
■ この「二人羽織」という言葉に、
「技法」という言葉をプラスした、
「二人羽織技法」という(学術?)用語がある。
作ったのは、私である。
いくつかの文献にもこの言葉を使っている。
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次回は、「二人羽織技法」について書く。