■ 前後・左右・上下・縦横・・・、
物事は、どこから見るかで形が違う。
全体を把握するためには、
多方面からの視点が必要である。
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■ まだ駆け出しの頃、
療育についての研究会で、
縦の発達・横の発達ということを学んだ。
■ 「縦の発達」というのは、
通常使う意味での発達である。
「横の発達」というのは・・・、
障害児の発達を保証するには、
出来ないことを出来るようにして行く
という視点(タテの伸展)のみではなく、
いま現在持っている力を尊重し、
それが皆の中で発揮できるように(ヨコの広がり)、
取り組んで行こうという意味合いのものであった。
障害児の生活全般を、
それぞれの状態に応じて豊かにするには、
どう考えたらいいのか、
どういう取り組みをしたらいいのかという、
運動論的なものも入った考え方であったように思う。
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■ 先に先にと促すだけではなく、
子どもが現在持っている力をうまく生かし、
その使いどころを、
子どもの状態に応じて作り出し提供することも、
セラピストの役割であろう。
これは何も障害児に限ったことではなく、
さまざまな状態のクライエントに対しても言えることである。
毎回のセッションそのものが人生のひとこまであり、
クライエントの存在が生かされなければならない。
■ どのクライエントもその時々に持っている力がある。
その力を生かし、
その人生のひとこまが
豊かになって行くことを考えたい。