■ 「うかがっている施設にピアノがないから、キーボードでやるしかないか」
という場合もあるようですが・・・。
ピアノの代用品ではなく固有の楽器として見ると、
キーボードならではの使い勝手のよさも出てきます。
■ キーボードはとにかく移動が簡単、
スタンドから外せば手で抱えることも出来ます。
実際ギターの弾き語りのように、
キーボードを左手で抱えながら演奏し、
子どもの間を回ったこともありました。
(実はギターを持ってゆくのを忘れたための苦肉の策でしたが)
■ キーボードを“ピアノ代わりに”と思って使う時には
演奏上いろいろと不満が出てくるでしょうが、
子どもに音を出してもらう時には
むしろ都合のいいことがあります。
音色もいろいろと変えることが出来、
これが威力を発揮します。
例えばパーカッションのスイッチを選べばタイコ代わりになり、
バチを持てなくてもチョコンと手のひらでキーを押すだけで、
コンコンと音が出せます。
これは重度の子どもにとっても極めて応答性の高い道具です。
手がよく動かせなくてポツンポツンとしか弾けない子どもには、
ビブラフォンを選んでみましょう。
音の余韻が永く残り、
自分の出した音がよくフィードバックされます。
■ セラピストが楽器として使う際にも、
膝に載せて、寝たきりの子どものすぐ横で弾いてあげたり、
弾きながら、随時子どものほほや手に触れてあげる事も出来ます。
セラピストと子どもとの物理的距離を、
場面・状況に応じて変化させられる事は大きな特徴です。