■ 「縦の発達」と「横の発達」ということも、
このころ学んだことの一つである。
より高い能力を求めて、
先へ先へと目が行きがちであるが(縦の発達)、
それが望みえないとしても、
今の持てる力をどう広げどう使って行くか(横の発達)ということも
大切であるというものである。
ここでは、その発達課題は私たちの側、
社会の側にあると言える。
一人ひとりの豊かさは、ポツンと孤立して実現するものではなく、
みんなの中で実現されて行くものであろう。
■ 発達を考える時、
① 「個が深まって、社会に位置付けられてゆく」という方向と、
② 「社会的な存在として受け止められているからこそ、
個として深まってゆく」という方向の、
二つの考え方があるが、
横の発達は後者に立ってこそ見えてくるものであろう。
今ある力を高めて行く活動と、
今ある力を色々に使いこなして行く活動、
この「縦」と「横」も対をなした概念である。