■ 音楽療法のセッションは、
その時々の活動が成り立てばいいというものではなく、
先を見通した取り組みである。
そこで、かなり先を見通した目標(長期目標)と、
その時々の目標(短期目標)とを
「立てる」ことが必要であるとされている。
(短期目標は、相手の状態によって随時漸進されるもの)
■ さて、この(短期)目標を立てるということであるが、
「立てる」というよりも、
おのずから「見えて来る」もの、
というニュアンスでありたいと思う。
見えて来たものがその時々の目標となり、
それが適切なものであれば、
当然それは達成されて行き、
短期目標が漸進して行くということになるであろう。
目標なく行うものではないことは当然のことである。
しかし、その目標はこちらからの恣意的なものではなく、
クライアントさんのなかにあるものであろう。
それを読み取り、セッションの中の活動として、
表に出してくるということである。
■ 見えて来るためには、
発達をはじめとして、障害について、心の動きについて等々、
こちら側にいろいろな下地の蓄積が必要となる。
なによりも、一人ひとりのクライアントさんについて
理解出来なければならない。
また、見えて来たものをもとに、
活動として具現化するには、
それ相応のこちらの技量が必要となる。
(演奏力は、そのための技量の「ある一部分」)
しかし、使える技量は自分の中のものであり、
無理な背伸びは禁物である。
ようは、その自分自身をどう使うかということとなる。
(Therapeutic Use Myself)