(前回より続く)
さて、愛知県音楽療法研究会・
月例会(2012.02.22)の話に移る。
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この日のテーマは、
先の図にある、
「1.ある活動が、いろいろな目的に使える」
という発想をしてみようというものであった。
音楽療法セッションの中で、
特定の対象者に対して
ある目的のために考えられた活動や技法が、
視点を変えることでどんな広がりを見せるかを
考え合うということである。
障がい児のために考えた活動が、
ちょっとやり方を変えるだけで、
高齢者の場でも喜んでもらえたという様に、
その活動の適用対象が広がるということもあるであろう。
このテーマでの話し合いのネタとして、
私の考案した「都々逸式替え歌づくり」が取り上げられた。
◆ この活動の手順を簡単に整理すると、
以下のようになる。
① まずは時節にそったテーマなどを設定し、
小グループで、ワイワイ・ガヤガヤと
自由な雰囲気で雑談をする。
② 雑談の中で出てきた言葉を
短い言葉にして書き出し、
これを紡いで、七・七・七・五の句にする。
③ これを二句つなげ、
なじみの曲にのせて皆で歌う。
この技法は、単に替え歌を作ることが目的なのではなく、
①→②→③の一連の流れの中で、
知らず知らずのうちに会話が促進され、
仲間意識を持ち、
グループとしての親和性をはぐくみ、
「私たちの歌が出来た」という
達成感・満足感を感じるというものである。
替え歌を作ることのみを目的にしてしまうと、
この活動の意味合いが違って来てしまう。
大切なのはこの一連のプロセスであり、
セラピストは、この一連の活動の進行に際して、
その場の集団力動に、
十分配慮しなければならない。
さて、「ある活動が、いろいろな目的に使える」という発想を、
「都々逸式替え歌づくり」をネタにして
進めてみようとしたのだが・・・。
- 続く -