(前々回 & 前回からの続き)
■ さて、「ある活動が、いろいろな目的に使える」という発想を、
「都々逸式替え歌づくり」をネタにして
進めてみようとしたのだが・・・。
いざ話し合いを始めてみると、
「都々逸式替え歌づくり」が、
単に替え歌を作るための
便法と捉えられていた節もあるようで、
「一連のプロセスの中に意味がある」活動であることが
皆に伝わっていない様子も見て取られた。
■ そこで、先ずは模擬セッションで、
この一連の流れを皆で体験してみることとした。
設定は、お元気な高齢者の集まりの中での活動、
進行役(セラピスト役)は私である。
① 少人数の3グループに分かれ、
「ひなまつり」というテーマでの雑談。
すぐに、各グループとも「ひなまつり」を巡って、
ワイワイ・ガヤガヤと
いろいろな話が飛び交っていた。
② ①の中で出てきた事柄を
短い言葉にしての書き出し。
③ ②の言葉を使って、
七・七・七・五の句にまとめる。
各グループから4つの句が出てきた。
これを二つずつまとめて
<うれしいひなまつり>の歌詞とし、
皆で声を揃えて歌ってみた。
♪ 晴れ着でおすまし 写真をパチリ
桃のお節句 ひなまつり
七段飾りを 出しては見たが
一夜限りの おひなさま
♪ 桃の花咲き 迷ってならべ
婚期遅れる 処分に困る
しまい忘れて 気づけば5月
飾り続けて 行き遅れ
■ この ① → ② → ③ の
一連の活動を体験したことで、
「都々逸式替え歌づくり」の活動の対象者や目的が
(当初考えられた対象者や目的のみではなく)、
どこまで広がるのかを考えるという、
今回のテーマにそった話し合いが、
スムーズに進んで行った。
この時の話し合いも、
都々逸づくりの時のグループに分かれて行った。
すでに話の“場”が出来ているので、
活発な意見交換が行われていた。
■ その後の発表では、
各グループから、
精神科、障害児、リハビリ等の分野での応用が、
個人セッションの場合や、
グループセッションの場合などと、
具体例を伴って発表されていた。
■ 最後にもう一度、
今度は<花>にのせて、皆で歌ってみた。
七・七・七・五が、
いろいろな歌にのせられることが、
ここで体験された。
■ この活動に対して、
いろいろな視点からの提供を受け、
私自身もこの技法を、
多方面に使ってみたくなって来た。