■ MGW研究所や施設におけるセッション等、
日々が障害児・者との現場であるが、
大学での授業も、セッションを
進めるのと同様に“現場”である。
例えば、毎週行う授業と集中講義とでは、
触れる内容が同じでも
授業の展開は変えなければならない。
これは受講生の背景・人数・頻度・一回の授業時間等の
状況が異なるからであり、
ここへの配慮はセッションと同様である。
■ さて、某芸大での集中講義
(音楽心理学/音楽療法:6日間)では・・・。
▲ 受講生は100人前後で、
専攻(ピアノ科、作曲科、声楽科等)を問わず
2年生から4年生までの
いつの時期に受講してもよいことになっている。
▲ 学年や専攻が異なるこれらの学生が
一堂に会することはもちろん、
普段接触することもほとんど無いとのこと。
受講者が普段から一緒にいる、
他大学の音楽療法コースでのクラスとは
随分様子が異なる。
▲ 受講生は、それぞれが意識するか否かに関わらず、
普段にはないこの集団からの影響を受けることになる。
この集団が各自に対してプラスに働くように
“集団力動”を踏まえた授業プランを考えてゆく。
▲ 授業の展開は、
① 教室での講義(午前)
② 広いフロアでの様々なワークショップ(午後)
③ 教室に戻っての講義&シェアリング
(質問・意見交換、感想文の作成 / 午後)
という具合にして行くが、
これは場所と内容とを“構造化”させたものである。
講義とワークショップとは連動させてあり、
①→②→③の内容と体験とを結びつけるなかで、
受講生は、他者との“出会い”に気付き、
音楽療法の意味合いについて理解してゆく。
▲ 毎日書いてもらう受講生の感想文を見ると、
授業内容の理解と他者との結びつきへの理解が日に日に進み、
集団として成長し深まって行くのがよく分かる。