昨日、「別稿で報告する」とした、
T子ちゃんとの“やりとり”のひとこまである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 長寿社会フォーラムにて、
T子ちゃんの<アの歌>のビデオを流す。
一同の感動を誘った模様。
この子達が、皆に希望をもたらしている。
それに関わっているということに興奮を覚える。
そのビデオの場面は次のようなものである。
■ T子ちゃんのふと出した「アーァ」という声に対して、
私もそれに応えるように、「あーぁ」と柔らかい声で返す。
それにT子ちゃんも気づき、また「アーァ」と声が返ってくる。
アシスタントのピアノと共に返してあげることも行う。
T子ちゃんの声、私の声、ピアノの音とが、
場の中で微妙に呼応し合ってゆく。
松井氏の言う“エコー技法”という方法である。
そうやって、声や音とのやりとりを促しておいてから、
<アの歌>をやってみる。
「♪ 大きく~」と歌っておいては、
次の歌詞である「ア」のところで、
T子ちゃんの「あ」がうまく出るように、
タイミングを合わせて行く。
私がちょっと先に「あ」と歌っておいてから
T子ちゃんの「ア」を待ったり、
T子ちゃんの表情や顔の動きを見ながら
私とT子ちゃんとの「あ」と「ア」の発声が共に出るように、
歌いかけの間合いを変化させてゆく。
この曲は、T子ちゃんにとって
とてもなじみのある曲となっている。
そのなじみの曲の中で、
このような“やりとり”をしてゆく。
既成曲であるが、
歌いかけの間合いは、
T子ちゃんの状態によって即応的に行ってゆく。
キーによっても反応が変わってくる。
キーがCの曲であるが、キーを少し低くして、
Aで歌いかけた方がよく声が返ってくる。
■ T子ちゃんにもなじみの歌がいくつかある。
当時TVドラマで流されていた<アメイジンググレイス>を、
この子も耳にしているということを、
セッション中に母親から聞き、
早速その場で取り入れてみた。
キーをAにして、
私がT子ちゃんの目の前で鍵盤ハーモニカを、
アシスタントはピアノで伴奏をつけ、二人で演奏をした。
演奏が終わると、何とも言えぬ、いい笑顔を見せてくれた。
(お母さんの表現では、「クシャクシャな顔をして喜んでいた。」)
確かに、「聞いてくれている」と手応えを感じさせられた。
その後で、鍵盤ハーモニカをT子ちゃんの前に差し出すと、
「アーアー」という発声と共に、
鍵盤によく手を出してくる。
私がそれに合わせて、息を吹き込む。
その吹き込み方で、長く音を続けたり、
短く音にリズムをつけたりすることが出来る。
それに呼応して、
アシスタントのピアノが合いの手を入れる。
T子ちゃんの、目の前のキーを押すという行為が、
3人での“やりとり”となってゆく。
自分の出した音に変化がつき、
即興演奏になってゆく。
■ T子ちゃん達の持っている力は限られているが、
その持てる力を、
いろいろな形で「横に」広げてあげることを考えたい。
コメント