■ 私のセッションでは、いろいろな楽器や小道具が使われる。
その楽器や小道具にはオリジナルな物も多い。
また使い方がオリジナルなことも多い。
いろいろな状態のクライアントと向き合っていると、
既製のままでは即応出来ないことが多いからだ。
多方面から物事を捉えなければならない。
■ 例えば、ピアノは“鍵盤楽器”だが、
発音体として数多くの弦を持つ“弦楽器”でもあり、
その弦を、ハンマーで叩いて音を出すので“打楽器”でもある。
そのハンマーを動かすのが手前に並んだ鍵盤の役割で、
鍵盤から音が出ているわけではない。
ピアノもいろいろな側面を持っている。
ずっと以前にタレントの清水ミチコが、
洒落で、グランドピアノの弦の上に、
竹の物差し(1m尺)を置いて演奏をしていた。
音色が ♪ポロンポロンから ♪ビョンビョンとなり、
なんちゃってチェンバロの登場である。
ピアノの蓋を開け、マレットで弦を叩くという演奏をしている人もいる。
■ この楽器はこうするものだなどと、
決めつけることはない。
ピアノにほほを寄せ、
その振動を感じ取るという“鑑賞法”をする自閉症の子もいる。
実際、この振動そのものをメインに据えたセッションを展開したこともある。
「そんなことはするものではない。」と思うよりも、
「こんな風にも出来るんだ!」と、先ずはこちらの見る目を広げたい。