■  セッションの中で、
     キーボードやピアノを随分取り入れている。
     もちろん決まりきったレッスンではなく
     その子その子に応じた工夫がある。
 
■  たとえば・・・・、
     お子さんにポンポンとキーを自由に叩いてもらう。
     どんな音を出してもOKである。
     その音にスタッフのドラムとピアノとで、
     うまく即応してあげていると
     だんだんお子さんの音の出し方(リズム・テンポetc.)が整って来て、
     「合奏(共演)」みたいになってくる。
     「弾けた!!」という感じになるのだろう。
     ニコニコ顔で両足をバタバタさせ、
     嬉しさを体全体で表しながら弾いている子もいる。
     (ここでは、一種のやりとり/コミュニケーションを意図)
 
■  特製の目印(シール)を使うことで、
     かんたんな曲が弾けたりもする。
     片手の一本指奏から、両手の人差し指奏、
     ・・・そして左手での和音づけ。
     まだ音符は出てきていないが、
     曲の演奏は成立している。
 
     音符が分かってから曲をとか、
     各指が動かせるようになってから曲をというのではなく、
     今現在持っている力(やれること)が、
     「できた!」「弾けた!」につながるように工夫して行く。
     この工夫は、お子さんの状態
     (発達段階・障害の特性・興味関心の方向etc.)に
     そったものでなければならない。
 
■  一本指での音だし遊びを楽しんでいたお子さんが、
     両手の人差し指で曲を弾けるようになり、
     さらに、左手の親指と小指とで和音をつけられるようになり、
     今では市販の教則本を使うことも出来ている。
     これも、お子さんに寄り添った工夫を、
     教則本に施すことで可能となったものである。
 
■  「曲が弾けた!」と言う時には、
     とても嬉しそうな顔をし、
     私の顔を見たり、同室している親御さんの顔を見たりする。
     (共感のまなざし)
     すると、親御さんも携帯のカメラを向けていたりする。
 
     そんな時、親御さんがお子さんに向けるいとおしさが伝わってくる。
     これは小さなお子さんの時だけではなく、
     成人されたクライアントさんの場合でも見られる。
     いくつになっても、自分のお子さんをいつくしんでおられるのだなと感じる。