■ 昨日はMGW研究所にて、
午前2本、午後2本の個別セッション。
それらの間に、施設に出向いての60分のセッションも行った。
■ 施設(知的障がいの大人の方々)でのプログラムの中に、
<アの歌>を入れた。
曲にのせて「ア~」の歌いかけをしては、
クライアントにマイクを向ける。
すると、「あ~」と声が返って来る。
曲にのせての、声と声とのやり取りである。
アシスタントと私とでそれぞれマイクを持ち、
皆さんへ順番にマイクを向けていった。
お話の出来る方は、ここぞとばかりに声を出す。
マイクの来るのを待っている。
お話の出来ない方でも、
マイクを向けられると、ニッコリとされる。
そんなやり取りの中で、
自閉症で重度の知的障がいを持つ男の方が、
「あ~~~」と声を出していた。
ニコニコ顔で声を出している。
確かに、「ア」の所での「あ~~~」である。
私は、この人に何回も歌いかけてはマイクを向けた。
その度に、「あ~~~」の声とニコニコ顔が返って来た。
声を出すタイミングが、ピタリと合っている。
今までには見られなかった、明確な反応である。
歌っているのだ。
それを楽しんでいるのだ。
やり取りをしているのだ。
そう確信した。
セッション後の、
施設の先生方とのミーティングで、
この事を伝えた。
そして、皆で確信した。
■ その後の、MGW研究所での個別セッション(自閉症:高2の女子)。
棚から<マルモリ>のテープを出してきて、
テープレコーダーの所に行く。
テープをかけて欲しいとの、
リクエストなのだろう。
しかし、私がそのテープをかけると、
なぜかすぐに、その子がスイッチを押して止めてしまった。
「これおしまい?やめる?」と手ぶりを交えて聞いてみると、
両手で大きく逆三角形を描くような仕草をする。
「おしまい」ではなさそうである。
仕草の意味がすぐには分からなかったが、
やはりかけて欲しいという事だろうと、
再びテープをかけた。
その時、仕草の意味が分かった。
テープレコーダーの再生ボタンには、
「再生」の文字と共に「▼」のマークも付いていた。
■ いろいろな“言葉”があるものである。
その言葉を読み取れる人でありたいと思う。