◆ 俳句は五・七・五、
短歌は五・七・五・七・七ですが、
七・七・七・五の、
都々逸(どどいつ)というものがあります。
名古屋発祥のお座敷歌で、
寄席の音曲でも粋な文句にのせて唄われています。
「お前百まで わしゃ九十九まで、 共に白髪の 生えるまで。」
という、有名な句がありますが、これも都々逸です。
指折り数えながらこのフレーズを唱えてみると、
ちゃんと、七・七・七・五になっているのが分かります。
◆ この言葉のリズムは、
4拍子で取ることが出来(間合いとして休符の部分もあります)、
都々逸を二つつなげると、
4拍子・8小節の曲にのせて歌うことが出来ます。
試しに「お前百まで・・・生えるまで。」×2を、
<ゆき> ♪ ゆきや こんこ あられや こんこ・・・
にのせて、歌ってみてください。
<ゆき>に上手く載せられることが分かるでしょう。
<たき火>でも<メリーさんの羊>でも<ロンドン橋>でも大丈夫です。
◆ さて、ちょっと年輩の方たちがメンバーの
この文化教室でのある年の暮れのひとこま、
私が考案した、この「都々逸による替え歌づくり」
というのをやってみました。
5、6人のグループに分かれて、
季節にちなんだフリートークをしていただいた後、
その中で出てきた幾つかのキーワードで句を作っていただき、
それを<たき火>のメロディーにのせて歌ってみました。
出てきたのは、
①明るい笑顔 楽しい仲間 海外旅行に 出かけよう
②いつもの散歩で 逢う人ごとに 笑顔交わして おはようさん
③いつも大変 新聞配り 転ばないでね 雪の朝
皆さん「自分たちの歌という気がする」と気に入ってくれた様子。
懐かしのメロディにのせて、ほんわかムードで歌われていました。
はじめから都々逸仕立てにして下さいというと難しいのですが、
ワイワイ・ガヤガヤの、キーワード出しの過程をいれるのがミソです。
◆ 手順を整理すると、
①まずは時節にそったテーマなどを設定し、
グループでワイワイ・ガヤガヤと
自由な雰囲気でいろいろなキーワードを出し合う。
②それらの言葉をつむいで、七・七・七・五の句にする。
③これを二句つなげ、なじみの曲にのせて皆で歌う。
◆ 大学での授業にも使ってみました。
授業の最終回に、私の授業のなかで学んだことを、
この手法で学生さん達にまとめてもらいました。
なかなかポイントをついたまとめになり、
それをみんなで歌うことで盛り上がりのあるまとめになりました。
◆ この都々逸式替え歌づくりの活動で、
グループ内交流が促進され、
作品完成の達成感と共に
メンバー相互の一体感が得られるようです。