■ 高等部の女の子(自閉症)との個別セッション。
言葉でのやりとりは難しい。
昨日、ドラムとピアノでの合わせを行った。
■ この子との“いつもの曲”の一つである
<線路は続くよどこまでも>を、
“いつもより”少しゆっくりと弾いてみた。
ある種のやりとりにしようという試みだ。
この子は、しばらくドラムを叩いていたが、
そのうちに両手を脇に構え、
あのシュッシュ・ポッポの仕草をした。
いつもこの仕草で<線路は続くよどこまでも>のリクエストをするので、
リクエストの再確認かと思い、
そのままピアノを弾きつつ、
「分かってるよ、線路だね・・・」と声をかける。
しかし、また早い仕草で、シュッシュ・ポッポをする。
曲のリクエストではない様子。
ひょっとしてテンポのことではないかと思い、
演奏をテンポ・アップしてみる。
今度は最後までドラムを叩き続け、
ポッポ―でのシンバル叩きまで入れている。
あの仕草でテンポを示していたのだと分かった。
仕草は、演奏をリードする指揮者のタクトであった。
■ いろいろと活動した後に、
またドラムとピアノを行った。
ピアノを弾きながら途中で、
「今度はゆっくりだよ」と声掛けし、
テンポを落として低音部で弾いてみた。
今度は、そのテンポについて来て、ドラムを叩いている。
■ やりとりが成立していた。
この子のリクエストを私が受け止め、
私の提案(演奏)をこの子が受け止めていた。
言葉によらないやりとりである。
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